元の木阿弥って何のこと?
なにげなく使っている言葉にも、ドラマチックなエピソードがあるものです。
結局、元の惨めな状態に戻ってしまうことを「元の木阿弥」といいますが、この木阿弥というのは人のなまえなのです。
残念ながらそうではありません。
織田信長が活躍していた時代、大和の国を支配していたの武将、筒井順昭は不治の病に倒れましたが、彼の息子の順慶はまだ2歳。
順昭が死んだことが知れ渡れば、たちまち城は攻め落とされて国は滅びてしまいます。
そこで、自分がしんでもそのことは秘密にし、誰か自分ににた影武者を立てるよう遺言して死にます。
そこで影武者に建てられたのが、木阿弥という盲人。
木阿弥は順昭に声がそっくりでした。
薄暗い病床に伏せて命令を下し、首尾よく順昭の影武者を務め、周囲の人々をだまし続けました。
しかし、順慶が成長するとお払い箱となり、いっかいの市井の人に戻されたのです。
それで、一時栄えた人が落ちぶれて元の惨めな状態に戻ることを、元の木阿弥というようになりました。