二酸化炭素は空気より重いのに、なぜ地表にたまらない?

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中学校の理科の時間には、二酸化炭素は空気より重く、下のほうにたまると勉強しました。

空気を1とすると二酸化炭素は1.53。

 確かに空気よりも重いのですが、もし本当に二酸化炭素が下のほうにたまるとしたら、地表に住んでいる私たちは、そのうち窒息してしみます。

二酸化炭素による温室効果が問題になっていますが、それどころの問題ではなくなります。

でも実際は、二酸化炭素濃度が高くなることはありません。

気体は個体の粒と違って、絶えず運動しています。

二酸化炭素の分子も、15度くらいの温度では、音速に近い速さでほかの分子とぶつかり合いながら運動しています。

そのため、火が燃えて二酸化炭素が多量に発生しても、すぐに空気中に拡散してしまうのです。

したがって、石炭や石油を燃やすことによる二酸化炭素の増加で生物が窒息死することはありません。

しかし、火山噴火などの自然現象で急激に大量の二酸化炭素が流れ出ると、事故が起こります。

1977年のインドネシアの火山噴火では大量の二酸化炭素が流出し、付近の住民を窒息死させました。

また、1986年にはアフリカのカメルーンで、ニオス湖に溶けていた大量の二酸化炭素突然気体に広範囲の地域に流れ出し、1700人以上が死亡するという事故がありました。

ニオス湖は標高1000メートル以上の高地にあって空気が非常に希薄だったため、極めて短時間でふもとの村へ二酸化炭素が下がっていったようです。

このよに急激に二酸化炭素が発生すると、短時間のうちに地表にたまるので、この場合は非常に危険です。