カニ缶の白い紙は何のためにある?

缶詰は、19世紀初頭イギリスだ発明されました。

きっかけはナポレオン・ボナパルトが戦争で遠征する際、食料補給の問題に悩み、フランス国民に懸賞を出して携帯食のアイデアを募ったことでした。

当選したのはニコラ・アベールの壜詰め(びんづめ)でした。

しかし、壜詰めは重くては破損しやすかったのです。

 

そこで、その6年後1810年、イギリスのピーター・デュラントが缶詰を発明しました。

当初は軍事用、探検用、災害などの備蓄用に使われていたそうです。

 

さて、カニやホタテの缶詰を開けると、身が白い紙にすっぽりと包まれていることに気づきますよね。

これはなにも、高級感を演出するためのものではありません。

 

カニやホタテのタンパク質に含まれる硫黄と缶のスズが化学反応を起こして、白身が黒ずんでしまうのを避けるためです。

そこで薄くて耐水性、耐油性がある半透明の白い硫酸紙で包むと、黒い染みは出ません。

 

なお、缶詰は一度開けるとブリキの酸化が加速するので、プラスチック容器に移して冷蔵庫に保管するのが日持ちさせるコツです。

[surfing_su_box_ex title="硫酸紙"]木材化学パルプをすいた後、濃硫酸で処理して繊維を膨張させてから、乾燥させて作る半透明の薄い紙。無味、無臭で耐水性、耐油性があるのでバターや肉類などの包装に用いられている。また、通気性がないので、ビスケット、コーヒー、薬品などの包装に使われている。[/surfing_su_box_ex]

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