ガはチョウの先祖!?
チョウとガ、似たような姿をしていながら、一方は色鮮やかで華やかで優美なのに、もう一方は陰気で毒々しい見た目。
それにガは触角も太くて、とても不気味な感じがします。
両方とも、分類上は鱗翅目に属している兄弟のような関係なのに、どうしてこんなに感じが違うのでしょうか。
確かに、兄弟のならもう少し似ていてもいいはずですが、この二つ、実はチョウが人間ならガはサルといってもいい関係。
つまり、ガはチョウの遠い先祖に当たるのです。
ガはほとんど夜行性ですが、チョウは昼に行動します。
この行動時間の違いが、それを証明してくれるのです。
というのは、大昔、ガのように羽に鱗粉ある昆虫はすべて夜行性で、チョウのように昼行性のものはいなかったからです。
サルが森から草原(サバンナ)に出たように、あるとき、ガの一種が昼に寝るのをやめたわけです。
サルは、木がないので二本足で歩くようになりましたが、ガのほうも、暗闇から太陽の光の中に出たことで、同じように変化が起きます。
明るい昼間は暗い夜と違って、ものがよく見えるし、見られる世界です。
暗闇を飛ぶときに頼りにしていた太い触角も、ここではそう重要ではありません。
ということで、触角は退化。
羽の色も、敵をおびやかすためや、密を求めて花のあいだを飛ぶときの保護色のためなどを目的として、鮮やかな色に変わっていったのです。
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