太平洋と大西洋の「たい」の字が違うのはなぜ?

読みは同じでも文字が異なるのが「太」と「大」。

「太平洋」と「大西洋」でも、うっかりすると表記を間違えてしまいそうです。

なぜ、太平洋、大西洋と書くかといえば、そもそも意味が違うからなのです。

太平洋のほうは、この大海を横断した航海者マゼランが名付け親。

ポルトガル語で「El Pacifico」と言い、「Pacifico」とは平穏、太平の意味を持つ言葉なので「太平洋」と訳したわけです。

マゼランが平穏な海と名付けた裏には、南米の南端の海峡で、荒れた天候に悩まされたという事情もあったようです。

苦労してようやく南米大陸の西に広がる大海に出たところ、そこはこれまでの海峡とはまったく違う、のどかな海。

好天が続き、波も低かったことから、安堵と感激のあまり、この名をつけたのでしょう。

さて、一方の大西洋。

こちらの語は、中国の古い言葉「泰西(たいせい)」にルーツがあります。

泰西とは、西側諸国という意味合いで、その国々の横に広がる大海だから「泰西洋」。

「泰」がどうして「大」にすり替わったかというと、もともと「泰」には大きいという意味もあり、この二つの漢字はいろいろな熟語や文の中で同義に用いられることが多かったからです。

そんなわけで、やがて、「泰西洋」ではなく「大西洋」のほうが海の名称として定着し、それが日本にも伝わったということなのです。

チャキチャキの江戸っ子の「チャキチャキ」の意味は「正統」

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