塩分が不足するとなぜ人間は生きていけないのか?

f:id:itomaxyz:20200928213816j:plain体の60%以上が水分であるというのはよく知られていますが、水分といっても真水ではなくしょっぱい水です。

体にとっては、体液のしょっぱさ(濃度)がある一定の水準に保たれていることが、健康を保つ上で非常に大切なことです。

体内の塩分は汗や尿などに混ざって少しずつ排出されるため、その分を必ず摂取しなくてはいけません。

体液の塩分濃度が薄くなると、体の機能が狂ってきてしまいます。

現代では、簡単に塩を手に入れることができるので問題ありませんが、昔は、内陸部では塩が手に入りにくかったので、わざわざ「塩の道」という輸送ルートをつくり、常に塩が手に入るよう工夫を絶やさなかったのです。

塩分不足に気をつけなければならないのは、草食動物も同じ。

植物には塩分が含まれないため、草食動物は常に塩分を補給する必要があるのです。

これに対して、肉食動物は塩分を補給する必要がありません。

なぜなら、エサとなる動物の内臓、生肉には塩分をたっぷり含んだ体液があるからです。

これは人間の場合でもそうで、生肉を常食しているイヌイットなどは、わざわざ食塩をとらなくても大丈夫なのです。