一富士、二鷹、三茄子はなぜ縁起がいい?

初夢に見ると良いことがある、とされる縁起物「一富士二鷹三茄子」は江戸時代より広まったことわざです。

由来は、富士は日本一高く(富士=無事)、鷹は獲物を賢くつかみ取る、茄子は物事を成す、を意味することから縁起がよいといわれるようになりました。

 

実はこの3つとも徳川家康が好んだものである、家康の拠点でもあった駿河の名物であったとの説もあります。

1606年に家康が江戸城から駿河(静岡)へと隠居するとき、愛妾の一人が「どうしてあんな田舎に行かなきゃいけないの?」と駄々をこねました。

 

すると、家康は「第一あそこは三国で一番の富士がある。第二に鷹狩りに使えるいい鷹がいる。第三に好物の茄子が早い時期に食べられる。」となだめたそうです。

 

一方江戸城近郊の駒込は、大きな「駒込茄子」の産地で、「駒込のお富士さん」と親しまれている富士塚があり、鷹匠屋敷もあったことから土地っ子の自慢でした。

 

一富士二鷹三茄子」には続きがあり、四扇(=末広がり)、五煙草(=煙は上にのぼる)、六座頭(=毛がない:怪我がない)と続きます。

 

初夢は、新年最初に見る夢ではなく元日(1月1日)から2日の夜、または2日から3日の夜に見る夢とされることが多いのです。

[su_box title="駒込茄子"]

江戸時代、江戸の人口が増える中で、江戸近郊の農村では換金作物として野菜栽培が盛んになり、現在の豊島区駒込周辺は、優れた茄子の産地として知られるようになった。

江戸庶民に好まれ、徳川幕府が発行した「新編武蔵風土記稿」(1828年)には「茄子の産地によろしいので世にも駒込茄子と称す」と書かれている。

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