古代都市の驚きの下水システム
今から4500年前、日本では縄文時代にあたる頃。
その時代に、インダス川流域に栄えていたモヘンジョ・ダロやハラッパーといった都市には、すでに下水道が完備されていたというから驚きです。
モヘンジョ・ダロでは、道路が東西南北に走り、レンガづくりの家が整然と並んでいました。
そして、家々の下には、下水道がくまなく張り巡らされていたのです。
下水道が道路の中央を走り、これに各戸の下水道管が連結。
各戸には便所と浴室があり、下水管が通っていて、さらに2階の便所には、し尿が壁の中の陶管を流れる構造になっていたのです。
各戸から流れたきた下水は、下水溝にあるマンホールにためられ、何と下水中の砂や固形物を沈殿させ、定期的に掃除されていた形跡も残っています。
また、雨水は別の排水溝を設けて、し尿とは別処理されていました。
これは分流式というやり方で、合流式よりも効率よく処理ができるのです。
さらに、ゴミのダストシュートが設けられ、ゴミを2階から階下に落とすシステムにもなっていました。
たぶん、そのゴミが街ごとに回収されていたのでしょう。
現代の下水道は、汚水も雨水も一緒に入る合流式。
モヘンジョ・ダロは、現代以上に素晴らしいシステムを備えていたといえるでしょう。