子宮頸がんの予防の決め手はワクチンではなくお風呂?
「子宮頸がんが若い世代に増えている」
2013年4月、こんなキャンペーンのもとに子宮頸がんの予防を謳う「HPVワクチン」なるものが法定接種として導入されました。
ところが、ワキチン接種を受けた少女たちの中に副作用の被害がたくさん発生しました。
歩けなくなり、車いす生活を余儀なくされるようになった少女もいます。
接種開始から2ヶ月後、厚生労働省はHPVワクチン接種の積極的な”呼びかけ”を一時中止すると発表しました。
子宮の中心部にできる「子宮体がん」と、子宮の入り口部分にできる「子宮頸がん」をまとめて「子宮がん」といいますが、これら2つのがんはまったく別物のがんです。
子宮頸がんは主にセッ○スで感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスが原因になっておこるがんです。
原因となるHPVが子宮頚部の上皮細胞に侵入し、長い時間をかけて細胞を変性させますが、多くはそのプロセスでウイルスが消えて自然に治ってしまいます。
しかし、細胞が高度に変質した場合は、数年から10数年かけて上皮内のがんへと進行します。
HPVはイボをつくるウイルスで、100種類程の「型」があります。
ほとんどのHPV型はイボの原因になるだけですが、中には子宮頸がんの原因になるものがあります。
全世界の子宮頸がんの原因の70パーセントを占めるのが16型、18型の2種類のHPVで、日本ではさらに6型のHPVも加えた計3種類のワクチンが認可されています。
しかし、HPVワクチンはあくまでもウイルスの感染を予防するワクチンで、がんそのものを予防するワクチンではありません。
本当に子宮頸がんの発生率を下げる効果があるかどうかは、まったくわかっていないのです。
子宮頸がんの原因になるHPVはセッ○スで感染するので、セッ○スをしなければ子宮頸がんになることはありません。
昔、セッ○スとは縁がなかった修道女たちには子宮がんはゼロだといわれていました。
さらに子宮頚部にウイルスが感染したとしても、洗うことでウイルスは物理的に取り除くことができ、感染のリスクを減らせることも分かっています。
1950年代半ばの日本では、子宮頸がんによる死亡率は2008年に比べ4倍も高かったのです。
大幅に減少したのは、各家庭に風呂が普及して衛生状況がよくなったためともいわれています。
子宮頸がんを予防する上では、検診(細胞の検査)が有効です。
とくに若い人の受診が大切です。
アメリカでは検診受診率が80パーセントなのに対して、日本では20パーセント以下というデータもあります。
効果が不明な上、一定の割合で副作用をもたらすワクチンで子宮頸がんの予防を図ることは決して賢明ではないでしょう。
一番賢くて害のないやり方は、検診と清潔を心がけることです。
[surfing_su_box_ex title="子宮頸がん"]年間罹患者は約1万900例、約2900人(人口動態統計204年)。高齢になるほど罹患者リスクが高く、一時は20歳代後半から40歳代前半までの若い層に高くなる傾向にあったが近年は横ばいになっている。[/surfing_su_box_ex]