人間の脳からは麻薬物質が出ている
たいていの人は、自分は麻薬なんかに縁はないと思っているでしょうが、実はそんなことはないのです。
誰でも、体の中で作っているものなのですから。
強い痛みやストレスを受けると、脳や脳下垂体からエンケファリンやエンドルフィンといった、麻薬と同じ作用を持つ物質が出てきます。
そういえば歯が痛いときなど、初めは我慢できなくても、だんだん痛みが和らぐようなボーッとした感じがしてくることがあります。
そんなときには、これらの麻薬物質が脳から出ているのです。
分娩中には、血液中のエンドルフィンの濃度は通常時の2倍、3倍と増していき、ついには6倍くらいになるそうです。
また、 死の苦しみも脳内麻薬物質によって和らげられているようです。
脳死体験で、気持ちのいい夢を見ているようだったと語る人がいますが、それは脳内麻薬物質のせいではないかと考えられているのです。
脳内麻薬物質は痛みのときばかりでなく、強いストレスや激しい運動時にも分泌されます。
マラソンをしているとき、初めは苦しくても、一定の距離を過ぎたあたりからいい気持ちになってくるというランナーズ・ハイ現象。
あれも脳内が麻薬物質で満たされるせいだと言われています。