コウテイペンギンは4ヶ月間も断食をする!
ヨチヨチ歩きが何ともかわいいペンギンは、見ての通り空を飛ぶことができません。
というより、主に海の魚をエサにしている彼らは、飛ぶ必要がないのです。
その代わり、最高時速60キロメートルとうスピードで、それこそ飛ぶように泳ぐことができます。
潜水もお手のもので、大型のコウテイペンギンになると最高深度265メートル、時間にして20分近く潜ることができます。
水の中では魚顔負けの能力を発揮するペンギンも、卵は陸上で産まなくてはなりません。
コウテイペンギンの棲む南極は、エサとなる魚が豊富な上、外敵が少ないという好環境ですが、卵を産んで子を育てるとなれば、この極寒の地は決して恵まれた環境とはいえません。
コウテイペンギンのメスは岸から遠く離れた場所で卵を産むと、さっさとエサをとりに海へ行ってしまうので、卵を温めるのはオスの役目。
卵を氷の上に置いたままでは凍ってしまうため、オスは直立したまま足の甲の上に卵を乗せ、垂れ下がったおなかの皮ですっぽりと包みます。
こうして、気温零下40度、風速20メートルのブリザード(雪の嵐)が吹き荒れる中、卵がかえるまでの60日間、そしてヒナがかえってからもかなりの間、ひたすら頑張ります。
メスが交代に戻ってくるまで、約120日も断食しなければならず、オスの体重は半分近くなってしまうそうです。
「皇帝」という名前の割に、その生活はなかなか厳しいようです。