ふとんをパンパン叩くと埃は出ていくのか?
晴れた日の昼下がり、どこからともなく「パタパタ~」という音が聞こえてきたと思ったら、ご近所のあっちこっちで「パタパタ~」が始まる・・・。
そう、ふとん叩きの音ですが、近頃めっきり見なくなったような気がします。
その理由の一つは「騒音問題」です。
犬さえ驚くという「パタパタ~」は迷惑そのものと、ふとん叩きを禁止している集合住宅もあるそうです。
ふとん叩きが減ってきたもう一つの理由は、ふとんを叩いても「埃やダニを出すことができない」ということが広く知れ渡ってきたことでしょう。
「叩けば埃が出る」ということわざがあるせいか、これまで多くの人が間違ったやり方でふとんを扱ってきました。
ふとんを叩くと、埃のような飛び散りますが、これは中綿がちぎれた”綿ぼこり”です。
つまり、叩けば叩くほど中綿が傷むとです。
また、ダニは叩いて出てくるほどヤワではありません。
叩くと綿の中に入り込んでしまいます。
しぶといヤツです。
また、表面に付着しているダニやダニの死骸は舞い上がり、人が吸い込むとアレルギー症状を引き起こすこともあります。
ふとんは叩いても、いいことは一つもありません。
ふとんのダニは完全に取り除くことはできませんが、掃除機にふとん専用のヘッドを取り付けて吸い取ると、ある程度は取り除けます。
ふとんを叩くことが、逆効果になるというのに、なぜか今でも「ふとん叩き」という名前の道具が販売されています。
100円均一ショップでも売っており、人気商品となっています。
この道具は、ふとんを叩くのではなく、軽くこするようにしてふとんの表面のダニや埃を払い落とす目的があります。
ならばいっそ、「ふとんこすり」とでも名前を変えてはどうでしょうか。
世界中で同じような道具が販売されており、英語で「カーペットビーター」と呼ばれています。
カーペット、すなわちじゅうたんの埃を取るための道具です。
国によっては、これを子供のお仕置き用の”尻叩き”に使うとか。
[surfing_su_box_ex title="カーペットビーター"](Carpet Beater)テニスラケットのような形をした布団の手入れ道具。ダストビーター、鞭、尻叩きなど、さまざまな呼び名がある。昔は高価なものだったといわれ、20世紀初頭から低価格になり、庶民にも急速に広まって一般的に使用されるようになった。材料は木材やトウ、針金、プラスチックがよく使われる。[/surfing_su_box_ex]