ドジョウはきれいな水で飼うと病気になるの?
農薬や化学肥料のせいで、すっかり姿を見せなくなった動物の代表格がドジョウ。
泥の中に潜り、汚いところでも平気で棲める、割と丈夫な魚ですが、不思議なことに汚い所にいるドジョウをきれいな水で飼うと、病気になってしまうことがあります。
カラムナリス病といって、体のあちこちが白くはげたようになり、エラが腐ったようになって死んでしまうのです。
泥の中のドジョウは、ある種の菌が皮膚やエラの表面についていて、それが病原体をつきにくくしているのですが、きれいな水にドジョウを守ってくれる菌がいないので、病気の菌だけが増えるからです。
また、ドジョウの体はぬるぬるした多量の粘液で覆われています。
この粘膜は一種の防弾チョッキで、はがれると体が傷つくばかりでなく、浸透圧の関係で、皮膚を通して水分が体内に侵入し、血液の濃度が変わって弱ってしまいます。
この粘液には殺菌力もあります。
バクテリアの多い泥の中にいても、いっこうに皮膚が侵されないのはこのため。
抗生物質がなかった時代は、オデキや傷を負ったりすると、ドジョウを背開きにして、皮のほうを傷口に張りつけて治したそうです。