タンパク質や石油をつくる微生物がいる。
人間のおなかの中には、大腸菌やビフィズス菌などの微生物がいて、消化を助けています。
こうした微生物は、当然、ウンコの中にも含まれています。
動物のウンコを調べると、種類によってそれぞれ違った面白い微生物がいて、食品、医薬品、農薬などの分野に利用されています。
たとえば、タンパク質をよく食べてくれるのが、サルのウンコにいる微生物。
食肉を処理するときに出る大量の血液をこの微生物に食べさせ、さらに増殖した微生物を、肉になる動物のエサにもするという一石二鳥の方法が採られているのです。
また、カモシカのウンコにいる微生物は、タンパク質を分解する力を持っています。
その逆に、タンパク質をつくることのできる微生物もいます。
この微生物を利用すれば、いざ食料危機になったときも、乗り越えられるかもしれません。
石油の海洋汚染の処理に利用されているのが、油を食べてくれる微生物。
色を分解する微生物もいて、食品工場や染物工場で使った色素の処理に使われています。
微生物の世界は、今、もっとも注目されている分野。
特に石油を作る微生物がいることがわかって、生ゴミや落葉から石油ができるのでは、と期待されています。