乳牛が何を食べたかでバターの色まで変わる!

バターは、牛乳を激しくかき混ぜて、上に浮いてきた乳脂肪を固めてつくるもの。

それなら、牛乳もバターのようにいくらかは黄色っぽくてもいいはずなのに、真っ白です。

どうしてでしょう。

牛乳が白く見えるのは、牛乳に含まれる脂肪球のせいなのです。

牛乳の中の脂肪は、周囲を膜で包まれた脂肪球になっています。

脂肪球のような細かい粒は、たくさん集まると光をいろいろな方向に散乱させるので、全体が白っぽく見えます。

水は透明なのに、水滴が集まった雲が白く見えるのと同じ原理です。

牛乳をかき混ぜると、脂肪球の膜が破れて中から黄色い脂肪が出てきます。

その脂肪を集めたものなので、バターは黄色いのです。

ところで、脂肪に含まれている黄色い色素は、もともと牧草に含まれたもの。

そのため、乳牛のエサの種類によって、バターの色はかなり変わります。

春から夏にかけて、乳牛が新鮮な牧草を食べている時期につくられたバターは鮮やかな黄色ですが、冬に白っぽくなります。

そういうときは、工場で植物性の色素を添加して、いつも同じような黄色になるように調整しているのです。