酒飲みが摂らなければならない栄養素
「酒の味がまずくなるから、つまみはいらない」という屈強な酒飲みがいます。
確かに味の点ではそうかもしれませんが、体のことを考えるとそれでは体がもちません。
肉や魚、豆腐など、たんぱく質を含んだつまみをとることが絶対に必要です。
胃に入ったアルコールの90%は、肝臓でアルコールデヒドロゲナーゼという酵素によって解毒されます。
たんぱく質が不足していると、この酵素が十分に作られないので、解毒されないままのアルコールが体中を駆け巡ることになります。
また、肝臓を使いすぎて一時的に悪くしたときでも、たんぱく質を十分に摂っていればすぐに修復しますが、不足した状態が長く続くと悪くなる一方です。
たんぱく質の摂取量が一日40グラムで大酒を飲み続けるとすると、ほとんどの人が肝硬変になるが80グラム以上摂っていればアルコール性肝炎にとどまっている、という恐るべきデータもあります。
たんぱく質は酒飲みにとって最後の最後まで体を守ってくれる心強い味方なので、邪険に扱ってはいけません。
肝硬変になりたくなかったら、枝豆でも冷ややっこでもいいから、たんぱく質を含んだものを食べることです。
そんほか、ビタミンB1の補給も大切です。
アルコールやそれが体内で変化してできたアセトアルデヒドを代謝する酵素はビタミンB1を多く含むので、酒を飲んだときはいつにも増してビタミンB1を必要とします。
普通に、人と変わらない食事をしている元気な人が、晩酌でウイスキー50㏄を飲み始めて半年もすると、ビタミンB1不足の症状、脚気が出てきたという報告もあるそうです。
ビタミンB1は、豚肉に多く含まれています。