都会に暮らすハトは野鳥?

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「三枝の礼」という言葉があります。

これはハトの習性から生まれたもので「ハトの子は親が止まった枝より三つ下の枝にとまる習性がある。

そのハトが親を敬う姿を見習いなさい」という意味です。

本当にそういう習性がハトにあるかどうかは疑問ですが、ハトがそれだけ、昔から私たち人間にとって身近な存在だったということでしょう。

神社やお寺、公園だけでなく、都会のあちこちで群れをなすハトをドバトといい、今やすっかり人間と共存しています。

ところで、このドバトも野鳥のうちに入るのでしょうか。

一般的には、どういう形であれ人間が餌づけをしたものは、厳密には野生動物とはいえない、とされています。

その意味では、ドバトは明らかに野鳥ではありません。

また、彼らは血統的にみても野鳥ではないのです。

先祖は立派な野鳥のカワラバトですが、ドバトはそれを改良した飼育品種である家バトや伝書バトが人間のもとから逃げ、ああして野生化したものだからです。

そして、神社のお堂などにたむろしていたので「堂鳩」と呼ばれ、それがなまってドバトとなったわけです。

ハトの野生種はあまり知られていないようですが、日本にはカワラバト、カラスバトシラコバトアオバトなどが生息しています。

蛇足ですが、同じハトでも「鳩」と書くのは野生種のことで、家バトは「鴿」と書く方が正しいとうことになります。