植物の菌がスキー場の雪づくりに使われることもある
秋も深まるころ、まだそれほど寒くはならないだろうと思って鉢植えの観葉植物を一晩外に出しておいたら、翌朝、葉が霜で真っ白になって駄目になってしまった、なんてことはありませんか。
実はこの霜の害、水が凍るほど気温が低くならなくても起こります。
だいたい水滴ほどの大きさの粒なら、マイナス5~6度でも凍らないはずなのに、葉の上ではマイナス2~3度で凍ってしまいます。
それがなぜなのか、大きな謎でしたが、1980年代に入ってから、やっとこの原因がわかりました。
何と、水が凍るのを促進する細菌が葉の上にいて、それほど低い温度でなくても氷をつくってしまうからだったのです。
イヌイットの氷の家をつくるのと同じように、この細菌は周りを氷で覆って寒さから身を守っているらしいのです。
この細菌は、意外なところに利用されているそうです。
1988年、カナダのカルガリーで行われた冬季オリンピックでは、この細菌を造雪源とし人工雪をつくったとか。
日本でも1989年からスキー場に散布されているそうです。
そのおかげで積雪量が30~58%も増すそうですから、スキーヤーにとってはうれしい話です。