ジャンケンは元々「ヘビ」「ナメクジ」「カエル」
ジャンケンはもともと中国で起こったものですが「グー」「チョキ」「パー」の形にしたのは日本人です。
中国にはヘビはナメクジを怖がり、ナメクジはカエルを怖がり、カエルはヘビを怖がるという言い伝えがありますが、これが日本に伝わり、江戸時代に町民が勢力を増してくると、「三すくみ」の思想として定着し、ジャンケンの形で表現されたのです。
なぜ、この思想が町人に受け入れられたのでしょうか。
おそらく、三すくみというのは絶対的に強いものがおらず、それぞれに強い部分と弱い部分を持っていると認め合うことが前提になっていたからでしょう。
また「グー」「チョキ」「パー」のどれを選ぶかは自分の責任であり、勝つも負けるも自分の才覚と運次第というところも、町人階級の気分にぴったり合ったと思われます。
また、丁半勝負では一気に勝負がついてしまいますが、ジャンケンにはあいこがあり、場合によってはいつまでも勝負がつかないこともあります。
これは白黒つけたがる職人などの気質に反しているようにも思えますが、白黒つけたがったのはあくまで職人階級の人たちくらいで、商人たちはあいこを続けながら、気長に商売の先を読むのには慣れっこだったのでしょう。