うどんをゆでるときは塩を使うのに、そばには使わない謎
めん類をゆでるとき、うどんやそうめん、スパゲッティのゆで湯には塩を入れるのに、そばだけは塩なしでゆでると相場が決まっています。
でも、どうしてでしょう。
めん類の湯で方を二つのタイプに分けると、つくるときに塩を使っためんはゆでるときにも塩を入れ、塩を使わずに打ったそばは塩なしでゆでるということになります。
これは言い換えれば、めんの主原料が小麦粉か素そば粉かの違いです。
小麦粉をこねて生地にするには、小麦粉の中のたんぱく質がグルテンに変わる作用を利用します。
この粘性のあるグルテンの形成に、塩が不可欠なのです。
そのため、めんにするときには小麦粉の3.5%、餃子の皮などで2.5%程度の塩が最低でも必要になります。
こうして打っためんを、塩なしでゆでるとどうなるでしょう。
浸透圧を考えてみてください。
塩入りのめんは、塩なしの湯より当然濃度が高い。
浸透圧に差が生じれば、ゆで湯はめん内部へと、どんどん染み込んでいきます。
すると、めんはたちまちふやけてしまうのです。
だから、コシを保ってゆで上げるには、ゆで湯も塩分3.5%程度に合わせたほうがいい、ということになります。
一方、そば粉のほうは塩なしでもこねられる性質を持っています。
そばには塩分がないのだから、ゆで湯に塩を入れる必要もないわけです。