うどんをゆでるときは塩を使うのに、そばには使わない謎

f:id:itomaxyz:20201001184524j:plain

めん類をゆでるとき、うどんやそうめん、スパゲッティのゆで湯には塩を入れるのに、そばだけは塩なしでゆでると相場が決まっています。

でも、どうしてでしょう。

めん類の湯で方を二つのタイプに分けると、つくるときに塩を使っためんはゆでるときにも塩を入れ、塩を使わずに打ったそばは塩なしでゆでるということになります。

これは言い換えれば、めんの主原料が小麦粉か素そば粉かの違いです。

小麦粉をこねて生地にするには、小麦粉の中のたんぱく質グルテンに変わる作用を利用します。

この粘性のあるグルテンの形成に、塩が不可欠なのです。

そのため、めんにするときには小麦粉の3.5%、餃子の皮などで2.5%程度の塩が最低でも必要になります。

こうして打っためんを、塩なしでゆでるとどうなるでしょう。

浸透圧を考えてみてください。

塩入りのめんは、塩なしの湯より当然濃度が高い。

浸透圧に差が生じれば、ゆで湯はめん内部へと、どんどん染み込んでいきます。

すると、めんはたちまちふやけてしまうのです。

だから、コシを保ってゆで上げるには、ゆで湯も塩分3.5%程度に合わせたほうがいい、ということになります。

一方、そば粉のほうは塩なしでもこねられる性質を持っています。

そばには塩分がないのだから、ゆで湯に塩を入れる必要もないわけです。