ワラ、ホウセンカ、スミレのうち食べられるのはどれ?
お世辞にも美味しそうとは言えない代物ばかりですけれども、実は三つとも食べられます。
というより、正確に言えば、かつて食べていた時代がありました。
江戸時代、飢饉が起きた頃のことです。
時代劇でもおなじみの悪徳お代官様やら悪徳商人が、少ない農作物を買い占めたため、食べ物に困った人々は実に様々なものを食用にしました。
ご飯の代わりには松の皮やそばがら、豆がら。
ワラは細かく刻んでわずかな米粉と混ぜ、もちにして主食に。
灰汁は抜いたそうですが、ボソボソしていて、まずかったに違いありません。
野菜の代用としてはアザミ、キキョウ、スミレ、ホウセンカなどなど。
これらにはカリウムが多く含まれています。
このカリウムは、適量をとっていれば体の生理作用を活発にしてくれますが、体内に溜まりすぎると抵抗力を弱めてしまいます。
そのため、 カリウムを排泄する作用のある塩を一緒に摂る必要があるのですが、塩の流通も滞っていた時代のこと。
多くの人が病に侵されたようです。