なぜ、”鍋で煮る”のに「すき焼き」なの?
冬場を迎えると恋しくなる「すき焼き」
でも、グツグツ煮込むものなのに、どうして「焼き」という名前がついたのか、ふと疑問を持ってしまいます。
まず、なぜ「すき」というか。
これには二つの説があります。
昔は、獣の肉を料理するのに調理用の鍋を使うのは気持ち悪いし、においがつくので古い鋤を使ったという「鋤焼き」説。
もう一つは、肉を薄く切ってすき身にすることから来たという「すき身焼き」説があります。
つぎに「焼き」について。
鍋で煮るのだから「すき煮」ではないかと疑問を抱くのは、関東人の証拠です。
すき焼きの調理法は、関東と関西でかなり違います。
京都のとある家では、炒める最中の肉に砂糖をたっぷりと振ります。
じっくり焼いて肉に甘い味をなじませてから、さらに、しらたき、豆腐、ネギなどの材料を加え、最後に薄口しょう油で味をつけます。
確かに「焼く」のであって、しょう油味のたれで「煮る」のではありません。
味は、関東のものとたいして変わりないようですが。
関東では、鍋に油をひいて肉を焼きます。
ここまでは一緒。
肉に火が通ると、砂糖、しょう油、酒などを混ぜた割下を注ぎ、ほかの材料を加えて煮込んでいきます。
しかし、関西人に言わせると、この調理法は「牛鍋」の調理法なのでそうです。
ちなみに、生卵をつけて食べるのは、関東と関西どちらも同じです。