鉄火巻きの「鉄火」とは?
食べ物の名前は、それを食べていた人物の名や場所から連想されて、つけられることが多いようです。
たとえば、賭けごとが大好きなイギリス人のサンドウィッチ伯爵は、食事の時間もカードから手が離せません。
そこで、パンの間に料理を挟んでカード片手に食べたというのがサンドウィッチの始まりです。
これと似たような由来の食べ物が日本にあると、一部で言われてきました。
賭博場のことを鉄火場ともいいます。
賭けごとに夢中になっている血の気の多い連中が食べていたのが始まり・・・といいたいところですが、実は鉄火巻きと賭けごとの鉄火とは、何の関係もありません。
鉄火とは、真っ赤に焼けた鉄のこと。
鉄火巻は、赤いマグロを巻いたからこういう名前がつけられたという、シンプルな理由なのです。
ほかに鉄火とつく食べ物には、赤味噌にゴボウや大豆を混ぜて練った鉄火味噌や、しょう油を入れて炊いた鉄火飯というのもあります。
みんな、色が赤いことからつけられた名前です。
ちなみに、賭博場のことを「鉄火場」、すぐにカッとなる人を「鉄火肌」というのは、焼けた鉄の熱さと破壊力から連想された言葉です。