聖火リレーはあのヒトラーが始めた?
近代オリンピックの聖火が始まったのは1928年・第9回アムステルダム大会です。
この大会から初めて聖火台が取り入れられました。
しかし、オリンピック発祥のギリシャのオリンピアで採火され、はるばるリレーするスタイルができたのは1936年・第11回ベルリン大会からです。
ここで大会開会式のクライマックスに登場、聖火が点火される儀式が生まれました。
ベルリン大会はナチス政権のもとで開催されました。
事務局のカール・ディームがヒトラーに、予算獲得の手段として、ギリシャからブルガリア、ユーゴスラビア、ハンガリー、オーストリア、チェコなどを通過する聖火リレーを提案しました。
すると、ヒトラーは侵略計画と結び付けて採用、予算要求も認めています。
史上初の聖火リレーは、若者をナチ党にひきつけるプロパガンダに有効だったとされます。
通過地は、ドイツ軍の第二次世界大戦、バルカンの侵略ルートとなって利用されます。
つまり、聖火リレーはとても「平和の祭典のシンボル」などと呼べるものではない、残念なきっかけから始まったのです。
1964年の東京オリンピックでは、高度成長期の日本全国津々浦々を聖火リレーが駆け巡り、大会をおおいに盛り上げました。
ちなみに、毎年開催されている国民体育大会でも聖火は定番となっています。
ギリシャ神話に登場する男神プロメテウスが、全能の神ゼウスの元から火を盗んで人類に伝えたという逸話にあやかって、ギリシャのオリンポス山で太陽を利用して採火され、聖火ランナーによってオリンピック開催地まで届けられる火のこと。
オリンピックの象徴である。
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