カモシカは「シカ」の親戚ではない?
カモシカとシカは、混同されることがよくあります。
カモシカは名称に「シカ」とつきますが、実はシカの仲間ではなく、ウシの仲間です。
生物学の分類学上は、シカが偶蹄目シカ科なのに対して、カモシカは偶蹄目ウシ科カモシカ属で、ヤギと同じ仲間です。
その違いは角によく表れています。
シカの角は左右が木の枝みたいな形で生えているのに対して、カモシカにはにょっきりと2本の棒みたいに生えています。
それにシカの角は毎年生えかわりますが、カモシカはずっと生えかわりません。
さらにシカの場合、角が生えているのはたいてい雄だけですが、カモシカは雌も生えています。
だから、外から見ただけでは簡単に雄なのか雌なのか分かりません。
カモシカの角には模様がついていて、専門家は見ればこの模様で大体の年齢が分かるといいます。
カモシカは、山の中でしょっちゅう木の幹に角をこすりつけています。
これは角をとがらせてライバルと闘う際の武器にするためと、自分の縄張りを示すための臭いつけの2つの意味があります。
一方、シカの雄も、発情期になると木の幹などに角をこすりつける行動が見られます。
もう一つ、排泄の仕方にも違いがあります。
シカは歩きながら排泄するので、山の中にはあちらこちらにシカの糞が散らばっています。
一方、カモシカは立ち止まって排泄をするので、糞は1ヶ所に集まっています。