オリンピックの金メダルは実は銀メダルだった?
「ずっしりと重たいですね」とはオリンピックメダリストのインタビューでよく聞く言葉です。
2016年のリオデジャネイロ大会の金メダルは500グラムと、オリンピック史上もっとも重たいメダルでした。
ちなみにこのメダル、純粋に原材料の価値を換算したら、いくらの価値があるかというと、金1グラムの価値が当時日本円で約4500円なので、ざっと225万円ということになります。
ところが金メダルは、金100パーセントではないということをご存じでしょうか。
1912年の第5回ストックホルム大会までは、純金製の金メダルが授与されていました。
第2階パリ大会では、陸上競技のみ金メダルが与えられ、その数は23個です。
ストックホルム大会では、全競技で金メダルが与えられ、103個となりました。 (団体競技もあったので実際はもっと多い)
しかし、これでは開催地の負担が大きくなるということで、それ以降の大会では、負担軽減のために純金製ではなくなったのです。
オリンピック憲章で、金メダルは直径60ミリメートル、厚さ3ミリメートル、素材は「純度0.925の銀で少なくとも6グラムの金メッキを施す」と決められています。
ちなみに銀メダルの素材は銀93パーセント+銅7パーセント、銅メダルの素材は銅97パーセント+亜鉛・すず3パーセントです。
金メダルの中身が、実質的にはほぼ銀だとすると、本当は「銀メダル」ということになるのでしょうか。
そうすると、金メダルの原材料的な価値は、銀1グラム約70円なので500グラムで3~4万円ていどです。
このことを知ってか知らずか、かつてオリンピックで獲得した金メダルをオークションに出品して売却した選手が何人かはいます。
一番高い値段がついたのは、1936年ベルリン大会の陸上競技で金メダルを獲得した故ジェシー・オーエンス(アメリカ)の146万6574ドル(約1億5000万円)です。
オーエンスの遺族がチャリティーのために出品したため、これほどの高額で落札されたのでしょう。
一番安いのは、1996年アトランタ大会の男子棒高跳びで優勝したアンドレアス・ベッカー(ドイツ)の26.37ユーロ(約3700円)です。
これはいくらなんでも安すぎますが、ベッカー自身は「神の思し召し」と満足していたそうです。
[surfing_su_box_ex title="ジェシー・オーエンス"](James Cleveland Owens)(1913~1980年)アメリカの男子陸上選手。 1936年開催の大11回オリンピック、ベルリン大会で、100メートル、200メートル、走幅跳、4×100リレーの各種目で優勝し、4冠を達成した陸上界の英雄的人物[/surfing_su_box_ex]