プロ野球の球場はみんな同じ方向を向いて造られているの?
「野球場はみんな同じ向きで造られている」という話を聞いたことはありませんか?
「公認野球規則」によれば、野球場の向きは「本塁から投手板を経て二塁に向かう線は、東北東に向かっていることを理想とする」となっています。
つまり、本塁が西南西にあると午後の試合の場合、バックネット裏の観客は太陽が目に入らず試合を見やすいというわけです。
まさに「観客ファースト」のアメリカ的な考えなのですね。
そのため、多くのアメリカの球場は、この規則の下に造られています。
しかし、このような野球場は、守っている選手にとっては逆光となり、フライが上がったときに捕球ミスが起きやすくなります。
大リーグの試合で、サングラスをかけたり、目の下に眉墨を塗った選手を見たことがあると思いますが、これは逆光対策なのです。
それでは、日本の野球場はどうでしょうか?
1926年に開場した神宮球場(明治神宮球場)は、野球規則に定められた向きに造られています。
しかし、多くの野球場は、野球規則とは逆の向きになっています。
代表例として、1924年開場の甲子園球場は、本塁が北に位置しています。
こうなった理由はいろいろと考えられますが、日本は「選手ファースト」「守備する選手が有利に」という考えが根底にあるのではないでしょうか。
野球規則は、「東北東の向きが理想」と努力義務を定めているにすぎないので、違反しているわけではありません。
しかし、高校野球は別として、今のプロ野球はほとんどがナイトゲームです。
しかもドーム球場が主流になりつつあるので、野球場の向きは必ずしも重要ではなくなってきたようです。