ビールはメソポタミアの時代から飲まれていた
世界中で多くの人に親しまれているビール。
でも、意外なほど古くから飲まれていることは、あまり知られていません。
紀元前3000年ころにはもう、メソポタミアに世界最古の都市国家をつくったシュメール人が、麦の種類によって4種類のビールをつくり分けていたそうです。
となると、ビールは5000年以上も人々に愛されてきたことになります。
ビールは、麦芽に含まれる酵素によって麦のでん粉が糖に変わり、それが発酵してできるのですが、もともとは、洪水や大雨に備えて貯蔵してあった麦が芽を出して、偶然にビールのつくり方が発見されたのではないかともいわれています。
やがてビールは、メソポタミアからエジプトに伝わります。
エジプトではワインがよく飲まれていたと考えられていますが、実は酒の主流はビールだったのです。
一方、ギリシャ、ローマ人は、ビールよりワインのほうが好きでした。
キリストもワインを常用するユダヤ人だったので、最後の晩餐でワインを指し「これは私の血である」と言いました。
そのため、ヨーロッパではキリスト教が広まるにつれ、酒といえばワインというようになったのです。
もし、キリストがエジプト人だったら、ワインよりビールがヨーロッパの酒の主流になっていたのかもしれません。