バターの代用品を公募して生まれたのがマーガリン
マーガリンが発明されたのはナポレオンのおかげ。
といっても、有名なナポレオン一世ではなく三世のほうです。
当時のフランスはビスマルク率いるプロシアとの戦争の真っ最中で、物資が不足し、特にバターが欠乏してきました。
フランス料理では、味付けとして調味料代わりに大量のバターを使います。
腹が減っては戦ができぬというか、うまいものが食えなきゃ腹が立つというか、バターの欠乏は士気の喪失に直結します。
そこでナポレオン三世は、バターの代用品の発明を懸賞募集しました。
みごと栄誉に輝いたのは、化学者メージュ・ムーリエ。
その代用品とは、牛脂に牛乳を混ぜて乳化させただけという単純なものなのに、当のムーリエは自分の発明がいたく気に入ったご様子。
ギリシャ語で「真珠のようなもの」という意味の言葉から取って、マーガリンと名付けたのです。
真珠のように光り輝く発明という思い入れがあったのでしょう。
しかし、このマーガリン、いろいろな工夫がなされますが、やはりバター特有の、口の中に入れたときにフワッと出る芳香や風味は出せません。
その秘密は牛の乳房にあると考えた彼は、牛の乳腺をすりつぶしてドロドロにしたものを混ぜたりもしたそうです。