サボテンには、なぜトゲがあるの?
果てしなく広がる砂漠にニョキッと生えたサボテンは、西部劇には無くてはならない存在です。
砂漠とサボテンは切っても切れない関係のようですが、実はサボテンはあまりか大陸にしか分布していないので、ほかの砂漠でいくら探しまわっても見つけられません。
砂漠と言う厳しい環境で生きていくため、サボテンには他の植物には見られない特徴がたくさんあります。
高さが10メートルにもなるオオハシラサボテンの幹に刻まれたヒダは、強い陽ざしを避けるために役立っています。
縦に走るヒダのおかげで日光が真上から刺さない限り、体表面のかなりの部分が日陰になるからです。
また、多くのサボテンが球体をしているのも、常に体の半分を日陰にするための適応です。
サボテンに葉がなく、表面がロウのような厚いクチクラ(膜)で覆われているのは、体の水分を蒸発させないためです。
さて、サボテンのトゲは葉が変形したものですが、いったい何のためにあるのでしょう。
動物に食べられるのを防ぐという防御の役目もありますが、それだけではありません。
試しにトゲを全部取ってしまうと、表面の温度が10度もあがるそうです。
つまり、トゲは強い陽ざしを散乱させる冷却装置でもあるのです。
また、トゲには空中の水分を得るという役割もあります。
静電気に帯電した空気中の水分子が、鋭く尖ったトゲの先端に電気的に吸収されるというのです。
このおかげで、サボテンは朝夕に霧が発生するところなら、雨がまったく降らなくても生きていくことができるといいます。