サバンナのスプリンター、チーターの致命的な弱点とは融通がきかないこと

陸上動物の駿足ナンバーワンといえば、チーター。

長い脚のつけ根は筋肉がよく発達し、走るときもむき出しの爪がスパイク代わりになって、猛ダッシュをかけることができます。

その速さは、100メートルをわずか3秒台で突っ走るというもの。

人間のランナーが10秒を切れば超一流であるのと比べて、チーターの走りは驚くほど高速。

時速に計算すれば120キロにもなるのだから、高速道路のスピード制限にも引っかかりそうです。

といっても、この”時速”はあくまでも計算上のスピードにすぎません。

一時間も走り続けることなど、チーターにはとうてい無理だからです。

実際チーターの持久力は、拍子抜けするほど劣っています。

時速120キロのスピードで走っても、15秒後には早くもパワーが急激に失われてしまいます。

ということは、チーターが足を生かせる距離は、わずか500メートル程度でしかないのです。

人間にとって500メートル競走は結構長いけれど、あの広いサバンナでの500メートルは、ほんの短距離にすぎません。

そのくせチーターには、狙う動物を一頭に絞り、絶対に変更しないという習性があります。

たとえ別の一頭が逃げるスピードを落とそうが、目の前を横切ろうが、これと決めた獲物だけを追うのです。

一頭めがけて全力疾走しているから、そう簡単に曲がることができないということでしょうか。

速さではサバンナ1であるにもかかわらず、持久力がなくて融通もきかないチーター。

それが災いして、食事にあぶれることが多いのか、年々頭数が減ってきているようです。