なぜ時計の針は右回り?
紀元前 3000~4000年の古代エジプトやバビロニアで始まったとされる日時計は、その中心に木や石の棒を立てて時刻を計りました。
日時計は太陽が作り出した影の位置によって時刻が決まる仕組みになっています。
紀元前 700年ころの天文学者が残した記録には日時計の記述があります。
この日時計がエジプトから伝わったヨーロッパは、地球の北半球に位置しています。
そのため太陽は東から昇り、南を通って西へ沈みます。
すると太陽の影でつくる日時計は、反対に西から北を通って東に動くので、必ず右回りなります。
文明国はほとんど北半球にあったので、これが時計の基準となりました。
南半球では、日時計の影は左回りになります。
南半球では真昼の太陽は北を通るので、東が右、西が左になるからです。
よって南アフリカ共和国の首都、ケープタウンには左回りの時計があります。
もし南半球で時計が発明されていたら、時計の針は左回りなっていたにちがいありません。
このように北半球と南半球では正反対のことが起こることがあります。
たとえば北半球では、北風は冷たいが、南半球では暖かい。
朝顔のつるの巻き方も、北半球と南半球では正反対になります。
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紀元前 19世紀から紀元前 6世紀にかけて、現在のイラク南部を占める地域に興った王国。
首都はバビロン。
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