獲物をくわえたワニが水中でも溺れない呼吸法

ワニと言うと獰猛な動物というイメージがあります。

川で泳いでいると岸からスルスルとやってきて、大きな口を開けて襲いかかる、そんなシーンを思い出す人も多いでしょう。

アメリカの動物学者、OPブレランド博士によると、実際に、陸に上がって獲物を捕らえると川まで引きずっていき、溺れさせて食べたという目撃例もあるそうです。

しかし、ワニというワニが全てこんなに凶暴なわけではありません。

ワニはよく知られているアリゲーターとクロコダイルの他、カイマンとガビアルの4種類に分けられていて、人を襲うほど凶暴な性格なのは、クロコダイルだけなのです。

クロコダイルは、特に凶暴なことで知られているナイルワニ(アフリカ)やイリエワニ(オーストラリアなど)をはじめ十数種類で、熱帯地方の各地に生息しています。

ワニと言えば面白いのが下の働きです

他の爬虫類のようにペロペロと口から出せないようにできていますが、隆起させるとピタリと喉を塞いでしまうのです。

しかし、鼻腔が舌よりも奥に通じているので、こうしていても呼吸は出来ます。

口の中の水が肺に流れ込まないように、舌が防水壁の役割をしているので、獲物を咥えたまま溺れさせることができるわけです。

また、鼻腔や耳にも弁があり、水中深く獲物を咥えたまま潜る場合には、それを閉めれば水の侵入は完全に防げるようになっています。