太古のワニは北極にもいた!?
かつて、カナダ最北端のエルズミア島でワニの化石が発掘されたことがありました。
発掘したのは、エール大学ピーボディ博物館とペンシルベニア大学古生物研究グループ。
しかし、カナダ最北端といえば北極圏です。
昔のワニはそんなところに棲んでいたのでしょうか。
いたのです。
というのは、化石は地中深くから発掘され、他の場所から流れ着いたものでも、誰かが持ってきたものでもないことがはっきりしたからです。
では、太古のワニは寒いところにも棲む種類だったのでしょうか。
そんなことはありません。
化石を詳しく調べたところ、現代のワニとほぼ同じ種類であることがわかったのです。
これらの事実から結論できることは、一つしかありません。
「その時代の北極圏は熱帯だった」ということです。
地球物理学者によると、地球の誕生以来、北極と南極は移動してきたそうです。
そのプロセスで、南極や北極が温帯や熱帯になった可能性もあるということです。
だから、ワニはまず太古に北極に出現し、寒くなるにつれてどんどん移動し、現在の熱帯地方に棲むようになったというわけです。
大阪の古い地層からマチカネワニという巨大ワニの化石が出ていますが、これも日本がかつて熱帯だった痕跡かもしれません。