私たちの指は、なぜ5本?
人間の指の数は手足とも5本ですが、牛は2本、みほ馬は1本で、同じ哺乳類でも指の数は様々です。
人間が哺乳類の中で指の数が最も多いのは、最も進化した動物だからなのでしょうか。
残念ながらそうではなく、これはむしろ、進化し残してきた部分の一つと言うべきものなのです。
例えば馬。
馬蹄の形を見ればわかるように、馬の指は一本しかありません。
しかし、馬の先祖とされる動物には、4本指。3本指、2本指のものがいて、進化する過程で馬の指がだんだん減ってきていることが分かっているのです。
草原に棲み、草を食べて生きるのに、指で物を掴む必要はありません。
敵に襲われた時に逃げられるよう速く走れればいいのです。
柔らかい草原を走るには、指が一本の方が都合がいいので、不要な指が退化したのだと言われています。
さらに遡れば、シーラカンスが進化し、脊椎動物として初めて陸に進出したという原始両生類イクチオステガが、」5本指だったのです。
足は横向きにちょこんと付いた程度。
そんな体では、がっしりと幅広く陸地をつかまえなければ、到底陸には這い上がれなかったはず。
そのため、5本指の足が必要だったのだろうと考えられています。