ガッツポーズはガッツ石松が発案したの?
スポーツから生まれた「ガッツポーズ」は、いまやあらゆるシーンで見られますね。
志望大学に合格した受験生、文学賞に輝いた作家にはじまり、大口契約をとりつけた営業マン、ロケット打ち上げに成功した技術者・・・。
勝利の喜びを体で表現するのは、当たり前のことになりました。
このガッツポーズは、和製英語ですが、生みの親はガッツ石松というのが定説になっています。
1974年、世界ライト級チャンピオンのゴンザレスに勝利した彼は、このとき両手のこぶしを突き上げて喜びを表しました。
ガッツ石松が喜んでいるポーズだから「ガッツポーズ」と、当時のスポーツ新聞が書きました。
ただ、当時の映像を見ると、いまのガッツポーズとは少々違っていて、どちらかというと”バンザイ”に近いような気もします。
しかし、この2年前、空前のボウリングブームのとき、すでにガッツポーズという言葉が使われていたことがわかりました。
当時発刊されていたボウリング雑誌「ガッツボウル」は、ストライクをとったとき、片手のこぶしを突き上げるポーズを「ガッツポーズ」と命名しています。
これによりプロからアマチュアまで、ガッツポーズをするようになりました。
シニア世代は、”さわやか律子さん”こと中山律子プロの華麗なガッツポーズを思い出すかもしれませんね。
ともあれ、ガッツ石松がWBC世界ライト級王者を奪取した4月11日は、「ガッツポーズの日」となっています。
つまり、言葉の起源はともかく、「ガッツポーズ」を広く世界に知らしめたのは、間違いなくガッツ石松ということですね。
しかしスポーツの世界では、ガッツポーズは物議をかもすことがあります。
勝って喜ぶのはいいが、あまりにも対戦者への敬意に欠けるという理由からです。
派手な雄叫び&ガッツポーズが売り物だった田中将大は、アメリカ・メジャーリーグベースボールに移籍してからガッツポーズを控えるようになりました。
メジャーでは、ガッツポーズは相手が屈辱と感じるため、やってはいけないのです。
日本武道館の武道憲章に「勝っておごらず負けて悔やまず」とあるように、ガッツポーズもほどほどがいいようですね。