渡り鳥のV字編隊飛行の先頭はリーダーなの?
渡り鳥の編隊飛行は見事ですよね。
V字飛行の「カギ」になり、横一列の「サオ」になったりする様子は、昔から歌に詠まれたりしてきています。
とくにカモやハクチョウなどの少し大型の渡り鳥によく見られるVの字の隊列の飛行は、カラスやハトやスズメやツバメには決して見られないものです。
どうして渡り鳥がこのような編隊飛行をするのか、最近の研究からだんだんと分かってきました。
それは、省エネのためだそうです。
鳥が羽ばたくと、翼の周りに空気の渦ができてそれが、外側に広がっていきます。
外側にいる鳥がその空気の渦を利用すると、自分が飛ぶための助けになって、羽ばたくために使う力を小さくするすることができます。
もちろんその鳥も羽ばたくわけですから、さらに空気の渦をつくるし、その外側にいる鳥はそれによって助けられます。
なので、V字で飛ぶのが一番エネルギーを節約できるというわけです。
非常に長い距離を飛んでくる渡り鳥にとって、この飛び方は途中でバテてしまわないため、とても効率的な方法だったようです。
でも、これでは編隊飛行の先頭を飛ぶ鳥が、もっとも疲れてしまうことになります。
なので、先頭は時々交代するするそうです。
つまり、先頭を飛んでいるいるのが隊のリーダーというわけではないのです。
渡り鳥は、毎年決まった時期に、決まった場所へやってきます。
迷子になったりしないのは、自然のGPSのような仕組みが鳥にそなわっているからではないかと考えられています。
さまざまな研究の結果、渡り鳥は昼間は太陽の位置、夜は星座の位置を目印にして飛んでいるらしいことがわかりました。
さらには、風や磁場(磁石が北と南を指すように働く力)も利用して方向を決めているのではないかともいわれています。
それでも「迷鳥」といって、仲間とはぐれて迷う鳥もたまにはいるそうです。