シーボルトはアジサイの学名を愛人の名前にしていた
花がボールのように丸く咲くアジサイ。
今ではよく見かける花ですが、江戸時代には、いわゆる突然変異でできた変わり種だと思われていました。
その頃は、外側にポツンポツンと咲く4枚のガクを持つ花(装飾花)と、中央の小さな花(両性花)とでできた、ガクアジサイが主流だったからです。
ところが、そんなガクアジサイの中で、装飾花ばかりをつけた花を選りすぐって育てる人が現れました。
ここから、装飾花が集まってボールのように見えるタイプのアジサイが普及します。
アジサイは当時の園芸家の手によって広まり、ついには長崎にいたドイツ人医師シーボルトの元にも渡りました。
そしてシーボルトは、このアジサイにハイドランジア・オタクサという学名をつけました。
実はこの学名、彼の愛人であった日本人女性の名前からきていたのです。
その女性の名は「お滝さん」。
きっと丸顔の、優しい表情をした女性だったのでしょう。