日本海が「磯臭い」のはどうしてなの?
ヨーロッパの海などと比べて、日本の沿岸はどうも磯臭い。
その原因は、どうやら栄養塩にあるようです。
栄養塩とは炭素や窒素からできた成分で、プランクトンが発生するのに欠かせないものです。
日本の沿岸にはほかの海域に比べてこの成分多いため、プランクトンの温床になっています。
さて、栄養塩をたっぷり摂取したプランクトンも、そして魚もやがて死を迎えます。
この生物たちは死後分解で、アンモニアに似た化学構造のトリチルアミンという物資を発生させ、それが臭いを発するのです。
また日本の沿岸には海藻も多く、これらはヨウ素化合物の分解物質の香りを放ちます。
ノリの場合には、ジメチルサルファイドという香り成分もあります。
そして、海辺の地域に多い松林などの針葉樹林の香りテルペン。
日本の磯の香りは、これらの香り成分がすべて混じり合って生まれたものです。
食品としての海藻だけなら、あるいは、針葉樹林を歩いているときなら好ましいと思える香りが、プランクトンや魚の死後分解の臭いと混ざったとたんに、あの磯臭さになってしまったというわけです。