スポーツの世界では左利きが有利?
ピンクレディーの歌「サウスポー」を聴いて育った人は、野球を知らなくても「サウスポー」といえば左投手のことだと分かるはずです。
サウスポーは、south(南)とpaw(動物の足、あるいはごつい人の手)が合体した野球用語です。
アメリカの野球場はバッターからピッチャーに向かって東北東になるように造られていたので、左投手が投げるとき南のほうから手がのびてきます。
それで、サウスポーになったという説があります。
また、左投手はアメリカ南部出身者が多かったからという説もあります。
右投手にあえて当てる言葉がないことから、左投手は特別な存在だったようです。
そもそも左利きは、統計上も10人に1人と少ないのです。
これは野球選手も同じで、少ない左投手にバッターが慣れていないため、当初は左投手が有利とされていました。
しかし、いまの野球は科学的トレーニングを導入しているため、必ずしもサウスポーが有利とはいえなくなっています。
ボクシングも右足を前に出した左腕を引いて構えるボクサーをサウスポーと呼びます。
しかし、ボクシングの世界でも、必ずしもサウスポーが有利とは限りません。
ボクシングでは「左は世界を制す」といわれていますが、これはサウスポーのことではありません。
右構えのオーソドックスなスタイルの場合、左手でジャブを打ちます。
相手の出端をくじいたり、距離を測ったりと、ジャブを駆使しなければ試合を有利に運べません。
このことから「左は世界を制す」という言葉が生まれたのです。
サッカーでは、左利きを「レフティ」と呼びます。
スペインリーグのバルセロナに所属し、世界的な名プレイヤーのメッシ(リオネル・メッシ)がレフティだということは衆知の事実でしょう。
日本でいえば、長く横浜マリノスでプレーした、中村俊輔の代名詞はレフティですし、イタリアセリアAの名門、ミランで日本人初の背番号10をつけた本田圭佑もレフティです。