ライオン、クマの母子にとっての最大の敵とは?
ホッキョクグマは、冬ごもり中の11月末から1月上旬くらいに子供を産みます。
1回に生まれるのはだいたい2頭です。
4月頃、母グマは子供を海に連れて行って狩りを始めます。
雄は、普段、単独で暮らしていて育児に参加することはありません。
子グマは自立できるまでの2~3年間、母親と暮らすことになります。
そして、この期間に一番母親が恐れるのは、雄のクマと出会うことです。
飢えた雄グマは自分の血の繋がらない子グマを殺して食べてしまうことがあるからです。
子グマを殺したあげくに、雄グマはなんと母グマと交尾します。
子育て中の雌グマは発情しないけれど、子供を殺されると悲しいことに「その気」になってしまうのです。
雄の子殺しは、シロクマだけでなくほかのクマでもあるし、ライオンやチンパンジーなどもよくあるそうです。
ライオンは「プライド」と呼ばれる群れをつくって、集団生活をしています。
一つのプライドは1頭から4頭くらいの大人の雄と、4頭から6頭くらいの雌にプラスして、その子共たちからなります。
子供の雄ライオンは、自立できるようになるとプライドを追い出されて武者修行の旅に出ます。
やがてこの「離れ雄」は、他のプライドを見つけて、それを乗っ取ろうと図ります。
激しい闘いの末に、敵の雄をやっつけてプライドを手に入れると、「離れ雄」はそこにいる赤ちゃんのライオンたちを皆殺しにしてしまいます。
すると、残された雌たちは発情して自分の子を殺した雄を受けいれ、新しい子づくりを始めるのです。
動物の世界でこうした残酷物語が展開されるのは、結局、自分たちの種を守ることにつながるかららしいです。
母親にとってそれまで育てていた子供が殺されても、前の雄よりもっと力強い血筋を受け継いだ自分の子供を産めることになるからです。
動物にとって、交尾の目的はもっぱらより強い子孫を残すこのなのです。