ルイ14世は和風好み
アメリカのある小説には、「しょうゆは放射能に効く」といって売りつけるセールスマンが出てくるものがあります。
何でも、日本が原爆から立ち直ったのは醤油のおかげで、このへんは砂漠の向こうで実験をやっているのだから、生き延びたかったら醤油を使わなけりゃ、といって売り込むのです。
今では、もうそんなセールスマンはいないと思いますが。
醤油がこんなに広く普及したのは戦後になってからといわれていますが、ヨーロッパでは、醤油の味は江戸時代から好評で、鎖国中にもかかわらずかなりの量が輸出されていました。
この期間、オランダが輸出を独占していて、1775年に長崎にやって来たスウェーデン人の植物学者ツンベルグの記録によれば、オランダ人は醤油の発酵を止めて輸送中の変質を防ぐ方法を知っていたそうです。
中でも、フランスの王室はいいお得意さんでした。
ルイ14世の宮廷料理にも、隠し味に醤油を使っていたといわれているのです。