もともと女性に母性本能なんてものはない!
女性には母性本能があるといいますが、どうもこれはあやしいようです。
というのも、フランスの女性の学者バタンデール氏は「母性愛は女の本能ではなく、時代の要請でつくられた神話にすぎない」と断言しているからです。
彼女は18世紀頃にパリで生まれた2万人の子どもを調査しました。
その結果、実の母に育てられたのはわずか1000人ほどで、乳母任せが1000人、残りの1万8000人は生まれるとすぐに里子に出され、本当の母親と一生顔を合わせなかったことが分かったのです。
何と、18世紀のパリでは90パーセントもの母親が、実の子を他人に渡して平気でいたわけです。
「こんなに多くの女性が自分の産んだ子を平気で他人に預けっ放しにするなんて、本当に女性に母性本能があるのならあり得ないはず。もともと女性には、母性本能などないのだ」というのが彼女の論拠。
また、「自分が面倒をみた子に愛情を抱くのは誰しも当然のこと。それを母性本能と呼ぶのは、子どもを他人に任せないために、世の男性たちが都合のいいようにでっち上げたものだ」とも言っています。
母親の義務というふうに押しつけられたのなら、男尊女卑的な思想だと逆らえるのですが、本能といわれてしまえば、うかつには反発できません。
そのへんの心理を男性側がうまく利用したのだ、というわけです。
「母親が父親より我が子をかわいがるのは、自分の子という確信が男よりも強いからだ」とアリストテレスは言っていますが、実際のところはどうなのでしょうか。