天ぷら鍋一杯分の油が驚くほど海を汚している

河川や海の汚染といえば、工場からの廃水が槍玉にあげられがちですが、実はもっと身近なところに要因がありました。

東京湾の汚染を例にとると、なんと7割もが生活廃水、つまり一般家庭からの廃水なのです。

生活廃水の中でも目立つ汚染原因は台所から流されたもの。

河川や湾内の水質を悪化させ、魚の棲めない環境にする物質でいっぱいです。

中でも最悪なのは、やはり油分。

天ぷら鍋一杯分の油を排水口から流してしまうと、6万6,000リットル、家庭浴槽で330杯分もきれいな水で薄めなければ、魚が生きられなくなるといいます。

さらに、台所から出るそのほかの汚水が、浴槽何杯分の水できれいになるかを見てみると、牛乳200ミリリットルが10杯分、みそ汁200ミリリットルなら5杯分、ラーメンのスープ同じく200ミリリットルで3杯分、米のとぎ汁も2リットル流せば、4杯分の水が必要です。

おちょこわずか1杯分の酒でさえも、浴槽3杯分の水がなければ、水質は元に戻せません。

魚の棲みやすい水質に戻すのは、決してたやすいことではないのです。

せめて油は新聞紙に浸み込ませて捨てるなど、ひと工夫したいものです。

海の色が国や地域によって違うワケ

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