酸素があると生きていけない生物がいる!?
人間にとっては、ひと時も欠かせない酸素。
そのため、空気の少ない6000メートル級の山に登るときは酸素ボンベをつけていきますし、水中で呼吸を止めていられるのもせいぜい数分のこと。
しかし、地球上の生物がすべて酸素を必要とするわけではありません。
逆に、酸素があると生きていけない生物もいるのです。
その名もズバリ嫌気性(けんきせい)細菌。
嫌気性細菌は破傷風を引き起こす病原菌、汚物を分解してメタンを発生させるメタン細菌など、意外に人間生活の周りにも存在します。
なぜ、同じ地球に棲みながら酸素を嫌わなければいけないのか?
それは、そもそも酸素というものが有毒元素だからなのです。
空気中の酸素ガスは、物を燃やしたり、錆をつくったりといった活発な反応をする物質。
特に酸素がほかの化合物と反応してできる過酸化水素やスーパーオキシドシンは強烈な化学反応を起こすので、薄めて滅菌剤として使われているくらいです。
有機物によってつくられている生物にとって、大気の中の酸素は体をつくっている物質を酸化させ、その機能を失わせてしまう恐ろしい働きがあるのです。