ピアノはミスチューニングがあるほうがいい音になる

ピアノは内部にある弦をハンマーで打って音を出す楽器ですが、大部分は2本か3本の弦を同時に売って音を出しています。

イタリアのハープシコードという楽器の製作者クリストフォリによってピアノが初めて作られたのは、1709年のこと。

その当時から、音量を大きくするために複弦や三つの弦で音を出すようになっていました。

ところが、複弦や三つ弦の周波数をぴったり合わせるのは、世界的に最高水準の腕を持つ調律師でも難しく、ごくわずかですがミスチューニングが出てしまうそうです。

でも、機械でピッタリ3本の周波数を合わせた音と聴き比べる調査を行ったところ、ミスチューニングのある音の方が好まれるという結果が出たそうです。

思いがけない音の差が思いがけない音の効果を生み出すようですが、どう周波数をずらせばどうなるということはまだわかっていません。

しかし、余韻の響き具合に関係していることは確かです。

ピアノの音は、初めに打った時の強い音と、その後、弦が振動する弱い余韻からできていますが、余韻を響かせる時に、微妙にずれた周波数で振動する弦同士がお互いに作用して、思いがけない効果を生むと考えられています。

音量を大きくしようとして複弦にしたのが、音質の点でも良い効果をもたらしていたのです。