植物に話しかけると良く育つ?
もちろん、植物が人間のように声を出して話をすることはありません。
でも、人間にも目や視線、手話といった具合にいろいろなコミュニケーションがあるように、植物同士もコミュニケーションをしています。
アメリカで発表された研究報告によると、プラタナスという木に虫がつくと、緊急事態発生とばかりに、葉の中の石炭酸やタンニンなどの物質がつくられます。
すると、葉は渋くなり毒性まで持つようになるので虫はその葉を食べなくなります。
それだけでなく林の中の1本に木に虫がつくと、隣の木にも石炭酸やタンニンなどの物質がつくられるそうです。
虫に食われた木が仲間に危険を知らせるために、警戒信号を出していたというわけです。
おそらく虫のついた植物が特殊な揮発物質を空気中に出し、そのにおいを感知したほかの植物も、同じように虫が嫌う物質をつくり出したのではないかとのこと。
まさに、植物同士のコミュニケーションです。
では、話を一歩進めて、植物と人間はコミュニケーションできるのでしょうか。
まさか、人間の言葉がそのまま理解されることはないでしょうが、
「いい子、いい子」
などと話しかけながら毎日なでてやっていると大きくならないうちに花をつけるようになるという例は、実際によくあるのです。
実はこの件は学問的にも取り上げられていて、植物生理学では「接触形態形成」と呼んでいます。
なぜ、このようなことが起こるかといえば、植物がエチレンという抑制作用を持つ物質を持つため。
つまり、なでられて喜んだのではなく、そこに障害があると感知し、ホルモンを使って、自分で自分の成長を抑え、大きくならないうちに花をつけたというわけです。