病人にお粥を食べさせるのは逆効果

病気になると、すぐにお粥を食べさせる・・・そんな習慣があるご家庭も多いのではないでしょうか。

軟らかくて噛まなくてもいいため食べやすいし、消化もいいということなのでしょうが、これは大間違いです。

お粥は消化力が弱っている病人にはかえって悪い効果があるのです。

噛まずに流し込めばすぐに胃に到達するので、食べやすいことは確かです。

しかし、食べやすいことと消化にいいことを混同してはいけません。

私たちの消化作業は、口でしっかり噛むことから始まっているのです。

よく噛んで食べものを細かくし、唾液中の消化酵素をよく混ぜ合わせる。

そうすることで胃からあとの消化・吸収に負担をかけないようにするのが最初の仕事です。

そういう見地に立つと、お粥は、消化活動のすべてを次へ押しつける”無責任型の食事”と言えます。

いくら軟らかくても、消化の第一段階がパスされたのでは、胃の仕事が増えるだけです。

負担は増す一方です。

もちろん胃だけではそれを補い切れず、十二指腸、小腸、大腸へと、順送りにツケが回されていきます。

それに、栄養価の面でも、お粥は不適切だといえるでしょう。

同じ病人食なら、むしろ白身の魚、豆腐、半熟卵など、高タンパクで消化のよいものを、よく噛んで食べるほうがよほど身になるというものです。

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