パワハラがやめられない人に共通する思考とは?
「このハゲー!」
「違うだろうぉお!」
2017年に脚光を浴びたあの女性国会議員のパワハラ絶叫は強烈でしたね。
多くの流行語は半年もしないうちに忘れ去られますが、彼女の言葉は本人の声とともに伝えられただけに、なかなか忘れられるものではありません。
「東大出のエリートがいったいどうしてあんなひどいことをするようになってしまったのだろう?」
と、彼女の問題を分析しようとする評論家がたくさん現れました。
印象的なのは、運転する秘書を彼女が叩いておきながら
「痛いのはこっちだよ!」
と言っていたことです。
パワハラの加害者たちは、自分が加害者だという意識をあまり持っておらず、むしろ自分が心の傷を負っておりことを自覚しているようです。
そして、パワハラの被害者たちはいつの間にか、どこかでそんな加害者の心の傷に触れてしまっているのです。
結果、加害者の怒りが爆発してしまうわけですね。
被害者の人格を傷つけておきながら
「指導するつもりでやったんだ」
と言ったりします。
そして
「自分こそ無能は部下に迷惑をかけられているんだ」
本気で考えます。
パワハラの加害者は、社会的に高い地位にある傾向が強いです。
子供の頃から経済的に恵まれた家庭に育ち、苦労したり親に叱られた経験がほとんどないというケースが多いです。
そして、大きな挫折を味わうことのないまま、現在のポジションまでスムーズにたどり着いています。
ところが、心の中ではどこかに強いコンプレックスを持っていて、それが自分の完璧さを損なわせている傷のように感じます。
あの女性国会議員の場合、自分の容貌に対する強いコンプレックスがあったのではないかと分析する心理学者がいました。
あるいは幼少期の充たされない親子関係に遠因を求める識者もいます。
パワハラの加害者にとって、あくまでもこの世は愛する自分を中心に回っているのです。
だから、自分を大切にしない人間に強い怒りを持ち、
「お前はダメだ!」
と爆発することになってしまいます。
苦労をした経験のない人には、他人の苦労を理解することは難しいです。
そしていったんいじめを始めるとそれが快感になって、これ以上やったら相手を追い詰めてしまうという加減がわからないまま、どんどんエスカレートしていきます。
次々と何人も部下や秘書が辞めていっても、まだそれが自分のパワハラのせいだということが分からず、新しく入ってきた社員や秘書に同じようないじめを次々と開始してしまうのです。
[surfing_su_box_ex title="パワハラ"]パワーハラスメントの略。会社などの組織で、順位が上の者が下の者に対して、その権力を利用して精神的・肉体的な嫌がらせをすること。[/surfing_su_box_ex]