なぜラグビーボールは楕円なの?
相手のゴールにボールを蹴り込む競技を「フットボール」と呼びますが、このフットボールは18世紀中頃、イギリスで「サッカー」と「ラグビー」に分化したといわれています。
日本のサッカー競技人口は約220万人といわれていますが、ラグビー競技人口は約12万人と、20分の1の規模しかありません。
人気の面でもサッカーに後れを取っているラグビーですが、2019年に日本でラグビーのワールドカップが開催されることで、注目が集まっています。
イギリスでは、さまざまなルールでフットボールが行われてきましたが、ラグビーの起源は1823年に遡ります。
フットボールの試合中に、ウイリアム・ウェップ・エリスという生徒が突然ボールを抱えて、相手ゴールに走り込みました。
反則ですが、これが結構面白かったらしいのです。
以来、ボールを持ってプレーするフットボールが広まりました。
これがラグビーの起源です。
ちなみに、ラグビーという名前はエリス少年の通っていた学校があった地名と校名がラグビーだったことに由来しています。
その頃のフットボールは、豚の膀胱を膨らませてそれに革を張り合わせたボールを使っていました。
そのため「真円」ではなく、いびつな形だったそうです。
実際、豚の膀胱を膨らませると楕円形になります。
この楕円形のラグビーボールをつくったのは、エリス少年が通っていたラグビー校の前で店を営んでいた靴職人ウィリアム・ギルバートです。
現在もギルバート社は存在していて、ラグビーボールの老舗メーカーとして知られています。
ギルバートは、1851年のロンドン万国博覧会に真円形と楕円形のボールを出品しました。
この楕円形のボールがラグビーボールです。
楕円形にすることで、イレギュラーなバウンドになり、ゲームが面白くなるといいます。
そして、脇に抱えやすく、投げやすいという利点もあります。
ラグビーで遠くの見方にパスする際に、ボールに回転をかけるパスを「スクリューパス」といいますが、なんと25メートルも投げる選手がいます。
真円のサッカーボールでは、とてもそんなに投げられないそうです。